前の記事はこちら↓
今回のシリーズは、僕が胸オペをすると決めるまでの経緯について書いたものです。
以前書いた胸オペの体験談よりも、前の話ということになります。
胸オペの体験談はこちら↓
「女性」として扱われる違和感
違和感自体は子どもの頃からあった
僕はおそらく物心ついた頃から、自分が女性とされていることに違和感を持っていました。
ただ、「自分が女性であることに対して違和感を持っているんだ」と明確な自覚をしていたわけではなく、
当時はなんだかモヤモヤする、とか、なんでこうなのかよく分からない、なんかしっくりこない、といったうまく言葉に出来ない感覚でした。
あなたは女の子だよと大人に教わって、女の子の列に並ばされて、ピンク色の名札を渡されて、
女の子は結婚して赤ちゃんを産むんだよと言われて、男子児童を外で遊ばせてる間にナプキンの使い方講座が開かれたりして、恐れていた生理が来るようになったらおめでとうと言われて、
そういう状況を、なんとなく納得できないような不思議な変な感じ、と思いながらも、
大人に言われたことは守れみたいな教育を受けているし、自分が持つ違和感をうまく伝えることも出来ないので、
そういうもんか……、と小さなモヤモヤを飲み込みながらいつも過ごしていました。
違和感を自覚した時期
違和感を自覚したのは、大学生になって「LGBT」という言葉を知った時です。
当時は「LGBT」「セクマイ(Sexual Minority の略)」という言葉がよく使われていました。
今は「LGBTQ]「LGBTQ+」などと言うことが多いですね。
それまで知っていた、いわゆる「男性」「女性」以外の概念を知ったことで、
自分の性自認が「女性」ではないと自覚することができたのです。
違和感を自覚するまで
最初のきっかけ
僕が「LGBT」を知った最初のきっかけは、恋愛感情です。
自身の性的指向を自覚する時に恋愛感情が関わることはよくあると思いますが、僕の場合は、性自認を自覚する時の話です。
なかなか複雑なので、少しずつ説明します。
恋愛(かもしれない)感情
僕が通っていた大学は女子大です。
大学に入った頃は、まだ自分自身が持つ違和感を明確には自覚していませんでした。
高校の頃までと同じように、なんかモヤモヤするという感覚のまま過ごしていました。
ただ、周りの人が言う「女らしさ」とか、女らしいという意味を含むタイプの「可愛い」とか、そういうものが好きではありませんでした。
そして、簡単に言うと、かっこいい(と自分が思う)ものが好きでした。
入学したばかりの時期は、新入生向けのオリエンテーションが多くあります。
ある日、サークル紹介のオリエンテーションで、ものすごくかっこいい(と当時は思った)先輩を見つけました。
当時の僕の感情が、恋愛感情だったのか、強すぎる憧れだったのかは、今となってはよく分かりません。
でも、その時の僕は、その先輩に対して「あ、好きかもしれない」と思いました。
その先輩が所属していたサークルは、もともと気になっていたのうちの一つだったので、僕はそこに入ることにしました。
先輩と仲良くなる
それから僕は、サークルや学校生活を通して、先輩ととても仲の良い友達のような関係になりました。
サークルの仲間も含めて一緒に遊びに行ったり、ご飯に行ったり、同じ講義を取ったりしていました。
その頃は、LGBTQのこともトランスジェンダーのことも本当に全く知りませんでしたが、
仲良くなるうちに、きっとこの人の中身は男性なんだな、となんとなく思いました。
そこで、2人でいる時にふと訊いてみました。
「ねえねえ、君って中身男なの?」と。
そうだよ、と答えが返ってきました。
へえーやっぱり。そっかーそういう人もいるんだな、と思いました。
今思うと、強制カミングアウトになりかねない質問をしてしまったのは、良くなかったかもと思います。反省。
LGBTについて知る
色んな人がいるんだなと思って調べていた時、初めて「LGBT」などの言葉を知りました。
なるほどね、先輩はFtMってことなんだろうな。
そこで僕は気づきます。
僕も、モヤモヤはっきりしない感じだけど、なんか自分が女性だってことに違和感あるんだよな。
FtMなのかな?
でも自分が男性って感じはしないし、ちょっと違うような……。
自分の性自認に気づく
さらに色々調べていたら、FtXというのを見つけました。
これじゃん。
当時は自分の正体がやっと分かってなんだか救われたような、ずっとかかっていた霧が晴れたような、何かがストンと当てはまったような、すっきりした感じがしました。
自分は「女性」でいることが嫌なんだなと、明確に自覚した瞬間でもありました。
その後、もう少しLGBTQについて深く知って、情報が更新されていく中で、自分が自分を表すために使う言葉は変化しました。Xジェンダーとか、中性とか、無性とか。
今は、既存の言葉に当てはめるならノンバイナリーかな、と思っています。
まとめ
そんなわけで、
自分が女性とされていることに対して違和感を持っていると自覚したのは、恋愛(っぽい)感情がきっかけでした。
次回は、身体的な違和感についてです。
続きはこちら↓