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【胸オペまでの経緯④】親へのカミングアウト

胸オペまでの経緯

前の記事はこちら↓

前回からの続きです。

胸を小さくすると決めたものの、けっこうなお金がかかるので、親にお金を借りたいと思いました。
そして、借りる理由を説明するために、カミングアウトをすることにしました。

カミングアウトの理由

カミングアウトのきっかけは上記の通りなのですが、
その前から、いつか親にはカミングアウトをしようと思ってはいました。

生きづらさ

自分のセクシュアリティを自覚してから、生きづらさを自覚する場面が増えました。
紙で指を切ったことに気づいた瞬間に痛くなるみたいな現象と似ています。

違和感を違和感だと自覚していなかったときは、そこまでつらいとか嫌だとか思っていませんでしたが、
自覚してしまうと、それまで感じていた小さなモヤモヤたちが、一つ一つ明確な負の感情として自分の中に溜まっていきます。

そういう感情を常に持ち続けたまま、
周りから求められるような「女性」を演じて生きていくのは嫌だと思いました。
「女性」ではなく、「自分」として生きたいと思いました。

誤解や偽っている感覚が嫌

でもきっと、周りに何も言わずに「自分」をやっていても、
「女性らしくない女性」と思われるだけで、周りから見て「女性」以外になれません。
それが嫌なのです。
自分自身という存在自体を、誤解され続けたくありません。

それに、カミングアウトしなければ勝手に女性だと思われ続ける状態なのに、
「自分は女性ではない」と訂正しないのは、
自分のせいじゃなくても、結果的に、周囲に対して自分を偽っているような感覚になります。

もちろん、属性でなく個人をちゃんと見てくれる人は存在するし、身近にも数人いましたが、
僕は周りからどう見られるか気にするタイプで、
「親を含む周囲の大多数の人は、僕のことを女性だと思っているのだろう」と思っていたので、
このままでは嫌だと感じていました。

言わないと解決しない

生きづらさを抱え込んでどうにもならなくなる前に、
誤解も偽りも無い状態に近づくために、
自分が楽になるために、
人生の中で比較的関わりが深い存在である親には、いつかカミングアウトをするんだろうなと思っていました。

でも、「男性」「女性」しか性別の概念が存在しない環境で過ごしてきたであろう人に、
男性でも女性でもありませんと伝えたところで、
どのくらい伝わるかも分からないので、いつ伝えるか本当に迷っていました。

だから、カミングアウトのきっかけがあったことはある意味良かったのかもしれません。

ただ、カミングアウトをしたいからではなく、
お金を借りるという目的達成のためにやむを得ずという感じだったので、
まだ心の準備出来ていなくて、とても気が重かったです。

方法を考える

カミングアウトをするにあたって、どんな方法で伝えるか考えました。

直接話す?

一番初めに思いついたのは、シンプルに直接話して伝える方法です。

全く理解してもらえず何か嫌なことを言われたらどうしようとか、
泣かれたら困るなとか、
ものすごく深刻な空気になったら嫌だとか、
真面目な話だと思ってもらえなかったらとか、
色々と不安がありました。

僕の親の場合はそんなに心配しなくても良いだろうな、とも心のどこかで思ってはいましたが、
それでも未来のことは何もわからないので、不安が消えることはありませんでした。

それに、僕は対面で話をすること自体があまり得意ではありません。
内容的にも、とてつもなく話しづらいはずです。
言いたいことをうまく伝えられない可能性があると思いました。

手紙を渡す?

話すのが不安でも、文章なら伝えられるかもしれないと思い、手紙を書くことも考えました。

カミングアウトをする側は、長い間抱えてきたものを打ち明けますが、
される側にとっては、多くの場合、突然のことです。
直接話すより手紙の方が、その突然感をある程度緩和できます。

自分としても、その場で言葉のやり取りをしなくて良いので、気が楽です。

ちなみに書いた手紙を音読するということも考えましたが、
なんだかすごく恥ずかしいなと思ってやめました。

カミングアウトの詳細

2015年11月、親へのカミングアウトをしました。

手紙→直接話す方法にした

手紙を渡して内容を読んでもらってから、時間をおいて、改めて直接話をするという方法にしました。
それが一番誤解が生じづらい方法だと思ったからです。

直接手紙を渡すのはあまりにも緊張したので、
親がいない隙にこっそり置いておき、読んでくれるよう仕向けました。

僕は当時実家に住んでいませんでしたが、割と近かったのでちょこちょこ帰っていました。
実家に手紙を置いてアパートに戻り、数日後にまた実家に行き、親に話すという流れでした。

手紙の内容

書いた手紙は、今なぜか僕が持っているのですが、
読み返してみると遺書みたいな書き出しなので親は驚いたことと思います。なんかごめん。

内容は、
・僕の性自認が男でも女でもないこと
・基本的にはこれまでと同じように接してほしい
・僕の行動に「女性だから」と理由付けをしないようにだけ気を付けてほしい
・分からないことはどんどん聞いてほしい
などです。

親との会話

手紙に書いた内容を、もう一度丁寧に話しました。
親は手紙で同じ内容を読んでいるので、その場で過剰に驚かれたりする反応もなく、まあまあ穏やかに話せたと思います。

それから、これは手紙に書かなかったですが、
胸があることに嫌悪感があり、脂肪吸引したいのでお金を貸してほしいと言いました。

お金の話は手紙ではなく直接話したかったのと、
手紙に全部書くと情報過多になりそうだったので分けました。

結果

その場では、まあまあ分かってくれたかな、という雰囲気でした。
あとで考えるとたぶん分かってほしいことの半分も伝わってなかったけど、
でも、分からないなりに分かろうとしてくれているのは分かりました。

あと、お金は出してもらえることになりました。良かったー。

もしカミングアウトの段階で親と険悪になったら、
その後の本題(お金)を話し出すこともできないし、胸も小さくできないし、
と考えるとなかなかきついので、ひとまずうまくいったと思って良いと思います。

まとめ

今回は、親へのカミングアウトについて書きました。
カミングアウトとお金のこと、大切な話を一気に2つするのは、相当緊張しました。

次回は、無事に親に借りられたお金で受けた、胸の脂肪吸引についてです。

続きはこちら↓

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