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女性として働くことのつらさ

女性として働く図 ジェンダー

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僕が会社員として働いていた時は、女性として働いていました。

一部の上司には自身のセクシュアリティについてカミングアウトしていたものの、
性別の枠が「男性」「女性」しかない環境の中では、女性として働く以外の選択肢はなかったからです。

その環境は、とてつもなく苦痛でした。

自分の性別を「女」と入力する仕事

その会社で僕がしていた仕事は、主に新卒採用や、社内研修の運営などでした。

新卒採用の仕事

新卒採用に関連する仕事には、
ナビサイト等への求人情報の作成・入力、面接日程の調整・面接、内定者研修の企画・運営など、様々なものがあります。

そして、会社は「女性を積極採用してますアピール」をしていました。
実際の比率は多くないですし、女性管理職も超少なかったですけどね。

新卒社員の男女比の入力

ナビサイト等の求人情報には、新卒社員の離職率と併せて、男女比を記載する必要がありました。
ここで困ったのが、「女性」の数に自分を入れるかということです。

会社としては、女性の数を多く見せたいに決まっています。
それに、自分の戸籍は女性です。会社でも、女性扱いを受けています。

でも、自分を女性の数に入れて集計するということは、自分の存在を否定するのと同じことです。

だけど、自分は男性でもありません。
だからといって男性にも女性にも数を入れなければ、合計数が変わってしまいます。

結局、女性として入力しました。
そうするのが当たり前といえばそうですが、数字を打ち込むだけとはいえ、自分の存在を消すための作業はとても苦しいものでした。

「女性の方がいて安心しました」

新卒採用では、合同会社説明会への出展や、自社説明会の開催も行います。
そこで学生に対して会社や仕事の説明をして、応募に誘導するのです。

合同会社説明会への出展

合同会社説明会とは、多数の企業が一つの会場に集まり、それぞれの企業ブースで求職者に対して会社の説明を行うイベントです。
就活の時期になると、色々な会場で行われます。

僕も学生に対して自社の説明をするための人員として、参加していました。

説明を受けた側の感想

僕が働いていた会社は、業種としては、男性が従事するイメージの強い仕事です。

すると、僕が参加する説明会では、どの会場でも「男性の仕事というイメージがあったので自分に出来るか不安でしたが、女性の方が説明してくれたので安心しました」みたいな感想を言う学生がいます。

説明を受けた側にとっては、女性(みたいな人)が説明している様子を見て前向きな気持ちになったのかもしれないですし、
それは会社としては応募の可能性が高くなったということなので、好ましい結果です。

でも、僕個人からすると、面と向かって嬉しそうに、僕の存在を否定されているだけなのです。

そりゃあ僕が自分のセクシュアリティを言ってないからそうなるんだろうけど、会社の説明をするという目的がある状況で、初対面の人にわざわざ自分のセクシュアリティは言うようなことはしません。
それから、僕は説明の中で自分のことを一度も女性だと言った覚えもありません。勝手に性別を判断されているのです。

まとめ

社会の中で暮らしていると、制度上「男性」「女性」のどちらかに当てはまらなければならないことが殆どです。
そして、多くの人が、人を「男性」「女性」のどちらかに勝手に決めつけようとします。

僕はそのたびに、自分の存在は社会に想定されていないんだなと感じます。
しかし、生活するためには、基本的には社会と関わらなければなりません。

僕が安心して生きられる場所はどこにあるんだろうかと思いながら、毎日生きています。

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