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新卒で入った会社を辞めた理由③

職場
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就活~会社を辞めるまでを書くシリーズ、第3回。
今回は、いよいよ現場に配属されて本格的に仕事を始めた頃の話。

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警備の仕事

新入社員研修が終わると、それぞれ配属先の現場で勤務をすることになった。
総合職での採用で、現場の業務を1年以上経験してから、管理部門への異動をすると聞いていた。

仕事内容

警備には複数の種類があり、
工事現場などで車や人の誘導をする業務や、
オフィスビルや商業施設で屋内の見回りをする業務などがある。

自分は商業施設の警備をする部署に配属された。

売り場の見回りをしたり、
従業員用入口で部外者が入ってこないか見張ったり、
監視カメラの映像が全部映る部屋で画面を見たりしていた。

歩き回ったり立ちっぱなしだったりする時間がとても長く、
とんでもなく足が疲れて大変だったが、
慣れてくると、楽しいというほどでもないが、悪くないなと思いながら仕事をするようになった。

ただ、自分はかなり真面目に仕事をしていたのだが、
数年上の新卒の先輩が「サボり方を教えてあげる」と言ってきたり、
共用の机の引き出しに絶対に仕事に必要ない私物を入れていたり、
ガム噛みながら仕事をしていたりしたのが、気にくわなかった。

アウティング

配属先の上司に挨拶に行った時だったか、もう少し後だったか、
「性別のことは聞いてるよ」みたいなことを言われた。

え?いつ何をどう聞いたんだ?どう伝わっているんだ?
怖くて聞けねえ。

新入社員研修の担当者の人たちもさあ、
こっちは風呂の件のみが理由で仕方なくカミングアウトしたのに、
なんで勝手に関係ない人に言うかなあ。
しかも事後報告すらしないのかよ。

なんなんだよもう。

制服の違い

就活をしていたときに見た会社の資料では分からなかったが、
制服が男女で違った。

先ほども書いたように、警備には種類がある。
そして、警備の内容によって身に付ける制服が変わる。

自分は2種類の制服を支給されていた。
ひとつは交通誘導などをするときに着る制服で、これは他部署に応援に行くときに使う。
もうひとつは配属された部署の仕事で使う、施設警備用のものだ。

前者は、パッと見た感じ同じである。
でも細かなシルエットが、男性用と女性用で違うのだ。
もちろん一般的な身体的特徴から考えて、動きやすさとかを考慮しているであろう部分もある。
でも、女性用のほうだけ、ジャケットの腰のあたりがキュッと細くなっているのは一体何なのか。
ズボンの足首のあたりが異様にすぼまっているのはなぜなのか。
実用性を追求した結果ではなく「女性的なデザイン」に思えて、当時着るのがとても嫌だった。
帽子だけは、男女で全く同じものだった。

後者の制服は、帽子が違った。
ジャケットやズボンも前者のものと同様の違いがあったのだが、少し見ただけでは分からないような違いである。
帽子だけは、遠くから見ても分かるくらい違っていた。
しかも、男性用の方が豪華というか、なんだか偉そうな形をしているのである。

自分が勝手に男女一緒だろうと思い込んで期待していたのが悪いのだが、とてもショックだった。
特に帽子は、男女で違うデザインにする必要性が全く分からなかった。

その帽子をかぶって、日々仕事をしなければいけないことがストレスだった。

本社への異動

打診と承諾

仕事に慣れてきた頃、本社から連絡があり、異動を打診された。

自分が入った会社の事業年度は、7月から6月だった。
4月の新入社員研修が終わり、商業施設で働き始めてすぐなのに、
7月から本社の部署に異動しないかと言うのだ。

聞いてた話と違うな?
少なくとも最低1年は現場だって言ってたよな?

でも給与が上がるのなら異動してもいいかもしれない、とその時は思ってしまった。
それに、こういう時に断ってはいけないのではないかと思い、怖くて承諾してしまった。
しなければよかった。

通勤時間を減らすために、わざわざ商業施設の近くに引っ越したばかりなのにな。
職場まで5分で行けて最高って思ってたのに。
本社まで、朝の混み具合を考えると車で1時間か。あーあ。

はじめの配属の理由

そうして本社で働くようになったのだが、本社にいると聞きたくないことも聞こえてくる。
自分が最初に配属されていた商業施設には、女性の警備員が何人必要だ、みたいな会話をしている人がいた。
それを聞いて、自分が「女性」として配属されていたことが分かった。

風呂のためだけだったけど、カミングアウトしたよね?
新入社員研修を担当した部署が、配属先を決めたんだよね?
配属先の上司にも、アウティングしてたよね?
それで、結局「女性」扱いですか。

しょうがないことだというのは分かる。とても分かるのだが、
自分の気持ちとしては裏切られたような、自分を無視された感じが強かった。

大学を卒業したての当時は、
自分が女性扱いされることをものすごく嫌っていた。今よりもずっと。
大学では女性扱いされずに快適だったというのもあるし、
自分自身という人間の理解度が今よりも低く、「ノンバイナリーであること」以外に自分がどういう人間なのかを説明することができないような状態だった。

だから女性扱いされると、
自分のすべてを否定されたような気持ちになって、そのたびにひどく傷ついていた。

異動の理由

本社に異動してから知ったことだが、
自分の異動は、新卒の1年上の先輩と入れ替わりだったらしい。

異動は先輩本人の希望だったと後から聞いた。
それって、先輩にとって本社の仕事が嫌すぎたってことでは?
先輩を異動させるために、自分が生贄にされてないか?

それから、異動してやっと気づいたが、この会社、人材不足すぎる。
だから自分が異動させられたんだ。
現場で経験を積ませるはずの新入社員を、
本社の管理部門に入れなければいけないほど、人が足りないんだ。

だから先輩も嫌になって部署異動したかったんだよねきっと。

カミングアウトの伝わり方

本社で仕事をするようになってから、
自分が入社した年の新入社員の一覧を見たことがある。

仕事上、そうした資料を閲覧する権限がある部署だった。
部署内の共有フォルダが全然整理されていないので、
見ようと思ってみたわけではないのだが、偶然開いてしまった。

住所やら出身校やら配属先やらが書かれている。
探してたのはこういう一覧じゃないんだよと思いながら、つい自分の欄を見た。

すると、備考欄に「性同一性障害」と書かれていた。
は?違うけど。
カミングアウトした時のメールには「性自認が男性でも女性でもない」とはっきり書いたはずだ。

言葉の意味を間違えて使っているだけなのか、
カミングアウトが全然違う伝わり方をしたのか、よく分からない。

怖すぎ。見なけりゃよかった。

つづく

入社して3か月で本社に異動になってしまった。
新入社員研修や他部署への応援などもあったので、
最初の配属先で働いたのは実質2か月くらいだ。

次回は本社に異動してからの話を詳しく書いていく。

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