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「されたら嫌なことを人にしちゃダメ」のもやもやを考える 4/5

価値観・思考

前回の記事の続きです。

前回はこちら↓

「自分がされたら嫌なことを人にしてはいけない」に対する疑問

子どもの頃の僕には、大人を疑ってはいけないという意識がありました。

大人の言うことを聞きなさい、と言われるので、
つまり大人はいつも正しいことを言っているから、疑いの余地はないんだろうな、疑うなんて悪いことなんだろうな、と思っていました。

でも、大人が言う「自分がされたら嫌なことを人にしてはいけない」理論に対して、
すっきりと納得できる、というわけでもありませんでした。

嫌なことをやり返せない

例えば、自分に対して嫌なことをしてくる人は確実にいます。
子どもの頃の僕がどんなに自身の感情を失おうとしても、嫌とか嫌じゃないとか判断するセンサーがぶっ壊れていても、
明らかに嫌だと感じることができるほど、嫌なことをしてくる人のことです。

でも、その人が「自分がされたら嫌なことを人にしてはいけない」に従っているなら、その人は同じことをされても嫌じゃないんですよね。
だから、同じことを仕返ししてやりたいと思うことがありました。
出来ないけど。

なぜそれが出来なかったのかというと、理由はいくつかありますが、一つは、僕にとってされたら嫌なことだからです。
子どもの僕は「自分がされたら嫌なことを人にしてはいけない」を忠実に守ろうとしています。
納得しきっていなくても、やれと言われたことはやらないといけないと思っていました。

当時の僕はなんとなく”そういうもの”だとは思いながらも、
自分だけ嫌な思いをするのは不公平なのではないかという気持ちくらいは持っていたと思います。

相手にとって嬉しいことを出来ない

自分はされたら嫌でも、相手にとっては嬉しいことなら、した方がいいのかな?と気づいた時も、
「自分がされたら嫌なこと」なので、それを人にするには抵抗がありました。

相手が喜ぶことが容易に想像できたとしても、悪いことをしているような気になります。
喜ぶのであればどちらかというと良いことのはずなのに、それに罪悪感があるのが腑に落ちませんでした。

大人の影響力と気づき

大人に逆らえない

少し大きくなった頃には、身近にとっても怖い大人がいました。
体育会系の理不尽さを正当化して、あなたのための指導なんですよ、感を出しているタイプの人です。

今の僕なら、一つ一つ、
これはおかしいよ、それは矛盾してるよ、こっちの気持ち考えたことある?恐怖政治ができて満足か?と、その人を淡々と責められるような気がするのですが、

当時の僕は、大人に従わなきゃ!としか思っていなかったので、
何をしてもしなくても怒られるとか、質問に対して相手の思うとおりの回答をしないと貶されるとか、とりあえず八つ当たりで怒られるとか、
そういうことに対して反抗してはいけないと思っていたし、ただ耐えていただけでした。

僕の頭の中では「大人」の言うことを疑ってはいけないことになっているので、何を言われても「そうなんだ」と思うしかなくて、
色んな言葉を使って繰り返し怒られているうちに、ああそうか自分はダメな人間なんだなと理解しました。

本当に嫌だったこと

自分がダメな人間であるということは、
大人に言われたことなので疑いようのない事実なのだろうと思っていましたが、

でも、普段自分自身の感情はほとんど無視するようにしていた僕も、
そういうことを言われるのはさすがに嫌でした。

それでも大人の言うことに逆らってはいけないし、
嫌なことをやり返すことも出来ないので、どうしようもありませんでした。

気づいたこと

そんな時、僕はあることに気づきました。

「自分がされたら嫌なことを人にしてはいけない」というのは、
きっと「他人が嫌だと感じることを他人にしてはいけない」って意味なんだろうな。

もしかして、
「他人が嫌だと感じることを他人にしてはいけない」のは僕だけだったとしたら、
これまで納得できなかった色々なことの説明がつくのでは?

つまり「周りの人は僕が嫌がることをしてもいいけど、僕は周りが嫌がることをしちゃダメ」ってことだ。

もやもやが解消されてしまった

嫌な大人が僕に対してたくさん人格否定をしてくるのは、
「周りの人は僕が嫌がることをしてもいい」から。

その大人が僕のことを無視することがあったから、話しかけないようにしていたらキレられたのは、
「僕は周りが嫌がることをしちゃダメ」だから。

なるほどね。
わかったわかった。納得。

論理的に破綻している気がしますが、子どもの頃の思考なんてそんなもんです。
というより、納得しきれないことが多い中、当時置かれていた状況に納得する材料が欲しかったんだと思います。

「周りはいいけど自分はダメ」という間違った気付きを得て、勝手に納得してしまったので、
絶対に人に嫌な思いをさせてはいけない、という考えが強くなり、人と関わるのがさらに怖くなりました。

次回に続く

抱えていた疑問を解消する手段が良くなかった話でした。

次回は、全体的なまとめです。

次回はこちら↓

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