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セクシュアリティとは?

セクシュアリティ LGBTQ

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人間の性(別)って、いくつあると思いますか?

男性と女性の2つ、と認識している方も多いかもしれませんが、それはおそらく戸籍の性のことを言っているのだと思います。

たしかに現状、戸籍の性は2つのみですが、
性についてそれ以外の視点から見たとき、男性と女性の2つだけで考えるのは無理があるのです。

セクシュアリティを構成する要素

今回は、セクシュアリティについて説明します。

セクシュアリティとは、簡単に言うと「性の在り方」のことです。人間の性に関わるすべてのことを指します。

例えば、次に示すような4つの要素を使って考えることができます。

生物学的性(biological sex)

身体が生物学的にどんな状態であるか、ということです。
出生時の外性器・内性器・性染色体・性ホルモンなどの特徴によって、性別(男女)が割り当てられます。

戸籍上の性別は、この生物学的性によって決められます。

実際には、すべての人が典型的な男性/女性の特徴に一致するわけではありません。
生物学的性だけでみても、性は明確に2つに分けられるわけではないのです。

性自認(gender identity)

本人が認識する性のことです。「男性」「女性」「中性」「無性」など様々な自認のしかたがあります。

英語圏における性自認の解釈

性自認は、英語では「gender identity」といいます。

ジェンダー(gender)とは、生物学的性(biological sex)に対して、社会的・文化的につくられる性を指します。例えば、「男性は仕事、女性は家庭」「男性はたくましく、女性はおしとやかに」のようなものです。

性自認とは、周囲に期待される・押し付けられるジェンダーに対して、本人の自己意識としての性がどこにあるかということです。

ジェンダーと本人の性自認は、一致することもあればしないこともあります。

日本における性自認の解釈

日本においては、性自認という言葉は「ジェンダーに対する自認」ではなく「生物学的性に対する自認」と説明されることが多いです。実際には両者は異なるものです。

しかし、ジェンダーと自認が一致しない人は、身体への違和感や嫌悪感を持つことが多いです。

また、生物学的性によって戸籍の性が決まり、それによってジェンダーがつくられます。つまり、生物学的性が女性なら女性のジェンダー役割を演じなければならないのです。
日本で暮らしていると、「こうするべき」「こうしてはいけない」といった、ジェンダー規範に関連する圧力や押し付けが強いことが分かります。

結果的に、現在の日本では「ジェンダーに対する自認」と「生物学的性に対する自認」は近いものであるといえます。

性的指向(sexual orientation)

どの性別の相手を好きになるか、あるいはならないかということです。

注意が必要なのは、指向と嗜好は全く違うものということです。

指向は字の通り、指す方向のことです。恋愛対象や性的対象の範囲のことをいいます。
例えば「男性」「女性」「すべての性」などに向くもので、基本的には本人の意思で選ぶものではありません。

嗜好は、指向の範囲の中で、本人の意思で選択する好みです。好きな人のタイプのようなものです。

同性愛者に対して「男性/女性なら誰でもいいということだろう」と勘違いする人は、指向と嗜好を混同しているのだと思います。

なお、ここでは「性的指向」という言葉でまとめてしまっていますが、実際には恋愛指向と性的指向は違います。恋愛感情を抱く性と性的欲求が向く性は、必ずしも一致するものではありません。

性表現(gender expression)

自分をどの性として表現するかということです。服装・振る舞い・仕草・言葉遣いなどにおける、いわゆる「男らしさ」「女らしさ」のことをいいます。

この要素も、ジェンダーに関わってきます。何をもって「男らしい」「女らしい」と言うのかは、宗教・国・地域等、社会的・文化的背景によって変わってきます。

自分をどう表現したいのか、周囲にどう見られたいのかなどによって性表現は変わります。
仕事なのかプライベートなのか、誰と関わるのか、どういった場なのかによっても表現は変わるかもしれません。

まとめ

以上に挙げたような要素の組み合わせで、セクシュアリティを考えることができます。

その組み合わせによって、カテゴライズされ名前がついているセクシュアリティもあれば、そうでないものもあります。

カテゴライズしようとすれば、どんどん細分化することはできます。しかし、すべての性に名前をつけるのは不可能なのではないかと思います。
セクシュアリティは人の数だけあるようなものだからです。

セクシュアリティは、自認するものです。特に性自認や性的指向は、他人が判断できるものではありません。
自認のしかたは人によって様々です。自認のしかたや感じ方までカテゴライズすることは、非常に難しいです。

また、セクシュアリティを構成する要素それぞれには、関係がありません。
例えば、生物学的性が女性だからといって性自認も女性であるとは限らないし、性自認が男性なら性表現も男性とは限らないということです。

セクシュアリティというのは、とても複雑です。今回の考え方以外にも様々な説明方法がありますし、一言で説明するのは難しい概念です。

ただ、確実にいえるのは、人は多様であるということです。

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